日本は治安が悪化した?その理由や原因
日本は世界でも有数な安全な国として知られています。
犯罪率や犯罪件数などを見てもアメリカや、ヨーロッパなどと比べても少ないです。
しかし、2012年に政府が調査した「日本の治安に関する特別世論調査」では、日本の治安が悪化したと感じている方が8割もいることが発表されました。
安全な国である日本で、なぜ治安が悪化したと感じてしまっているのでしょうか?
その理由や原因についてまとめてみました。
過去10年間で日本の治安が悪化
この治安に関する世論調査ですが、2012年7月5~15日に全国の成人3000人を対象に面接方式で実施し、1956人から回答を得たものとなります。
その結果、治安が悪くなったと思う理由は以下のとおりです。
理由 | 2006年調査 | 2012年調査 |
---|---|---|
地域社会との連帯意識が希薄となったから | 49.0% | 54.9% |
景気が悪化したからから | 29.7% | 47.4% |
情報の氾濫・容易な入手が可能 | 43.8% | 44.7% |
青少年の教育が不十分 | 48.1% | 43.8% |
国民の規範意識の低下 | 37.2% | 42.8% |
犯罪に対する処罰が軽い | 39.3% | 29.1% |
来日外国人犯罪が増加 | 55.1% | 28.2% |
交番での警官、パトロール警官が少ない | 20.9% | 17.6% |
警察の取締が不十分 | 18.1% | 17.3% |
暴力団や窃盗団などの組織犯罪が増えた | 19.3% | 13.5% |
その他 | 1.3% | 2.1% |
分からない | 0.8% | 0.7% |
実際は治安は悪くなっていない
このように「来日外国人犯罪の増加」が治安悪化の原因と考える人は半数近くに減っているのが特徴的ですが、一方で「景気悪化」によるとの意見が20ポイント近く増加しています。
また、「国民の規範意識の低下」や「地域社会の連帯意識」などの点でも増加しており、治安に関しての意識の希薄化が伺えます。
ただ、現実には、世論調査の結果に現れている「体感治安」の悪さとは反対に、2002年以降、一般刑法犯の認知件数は減少を続けています。
また、殺人の認知件数にいたっては2013年に戦後初めて1000件を切っています。
この他、検挙率も、殺人93.5%、強姦88%と、凶悪犯罪では依然として高い数値です。
悪化したと感じる理由
最近では、現実に起きている殺人事件の認知件数とは無関係に、マスメディアで「凶悪」というキーワードとともに殺人が報じられる件数が増えてきていること、さらにインターネットの普及により日本中で発生した犯罪情報が瞬時に広まること理由ではないかと言われています。
特にSNSの普及により、校内暴力やいじめ、恫喝や脅迫の類は、それを見ていた人達により、すぐさまインターネットを通じて注目されます。
そのため、毎日のようにそのようなことが起きているため、治安が悪化したと感じてもおかしくありません。
地域社会の連帯意識を高める
かつては犯罪がおこるのは夜や繁華街ぐらいでしたが、現在では昼や住宅街でも発生することが増えました。
更に、犯罪者の見た目が普通の人と判断がつきにくくなっています。
そのため、一人で犯罪を防ぐという意識ではなく、地域で犯罪を防ぐという意識を持つことで、安全・安心して生活することが出来ます。
隣に誰が住んでいるかわからないという方、多いのでは?
一度、住んでいる場所の治安について考えてみましょう。
治安マップでは
治安マップでは、各市区町村毎の事件や事故情報をまとめました。
近くに引っ越すならそれほど気にしませんが、上京や見知らぬ街へ引っ越すときに、引越し先、転居先の治安は気になりますよね?そんな治安を調べる際にご利用下さい。
治安とは
治安(ちあん、英: public safety, public peace, public order)とは、警察・軍隊などの強制力によって反乱や暴動などの社会的混乱を鎮圧し、さらには殺人、強盗、放火などの犯罪を取締ることによって国家の安寧秩序が保たれていること。
これを保持することを治安維持と言います。そのため、国家は治安維持のために法律を定めて司法機関・警察を組織しています。
治安維持は自由主義国家(小さな政府)においても安全保障と並んで国家の最低限の仕事としての一つと考えられていて、安定した国民生活の前提的な基盤です。